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沿岸生息場のモニタリング
沿岸域は海岸線から大陸棚の縁まで広がる細くて狭い範囲で海洋全体の面積の約7%にすぎませんが、海洋生物にも人間社会にも大変重要な海域です。沿岸域には藻場や干潟、サンゴ礁、マングローブ林などが分布しますが、これらは海洋生物の生息場として重要で、水質を浄化したり波や流れを緩めたりするなどの化学的あるいは物理学的な環境形成機能もあります。一方で、世界人口のおよそ60%が沿岸から100メートル以内に集中して住んでおり、人間活動によってもたらされる汚染や沿岸域の埋め立てにより、これら海洋生物の生息場は急速に衰退しつつあります。健全な沿岸域の自然環境を維持しつつ開発を続けていくには、沿岸域の生息場の保全を行うことが不可欠です。
そこで、研究室では衛星画像などを活用したリモートセンシングを用いて生息場をモニタリングする技術の研究を行っています。衛星画像を解析することで、生息場の種類や面積を定量的に把握し、その変化を知ることができます。また水質や水温、あるいは沿岸域の開発情報などと合わせて分析することで、生息場の変化の原因を考察することも可能となります。沿岸域の開発や管理にかかわる政府や民間企業などのステークホルダーがリモートセンシングで得られたモニタリング情報を適切に活用して沿岸域の自然環境の管理や保全計画に反映させることで、自然と共生できる持続可能な沿岸域の活用につながっていくことが期待されます。
沿岸生息場
沿岸域には様々な生物の生息場が分布しています。
アマモ場
ガラモ場
干潟
分布域の把握
リモートセンシング技術により、分布域を科学的に定量的に把握します。また、分布域の変動をモニタリングします。
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